苦しみを通り抜けたときに気づくこと

世の中には、いろんな苦しみがありますよね。

 

病の苦しみ

人間関係の苦しみ

家庭内の苦しみ

貧困の苦しみ

別れの苦しみ

自分を愛せない苦しみ

人に認めてもらえない苦しみ

孤独の苦しみ・・・

 

どんな人の人生にも、必ず苦しみはあります。

いまは幸せそうに生きている人にも、過去には苦しい時期があったかもしれない。

職場では元気に振る舞っている人も、心の中では大きな悩みを抱えているかもしれない。

苦しみの種類はいろいろあって、人それぞれ。

その人が人生で向き合うべき課題を神様から与えられるのかもしれません。

 

カウンセラーとしても日々クライアントさんのさまざまな悩みに向き合い、苦しみをともに味わうという経験をさせていただきますが、本当に、悩みや苦しみは人それぞれです。

 

苦しみを経験することは、マイナスなことだけではありません。苦しみを乗り越えたとき、人は成長します。同じように苦しんでいる人の気持ちが分かるようになり、思いやりや優しさが芽生えます。

苦しみがなければ、人間として成熟していくことは難しいのかもしれません。

 

最近読んだ本がとても良かったので紹介させていただきます。

 

「今日が人生最後の日だと思って生きなさい」 小澤竹俊著(アスコム)

 

 

 

ホスピス医の先生が人生の最後を迎えた人々に寄り添い、書かれた本なのでとても説得力があります。「死」が目前に迫るという究極の苦しみにさらされながらも、人はただ苦しむだけではなく、自分にとって「本当に大切なこと」に気づくのだそうです。

 

この本の中に紹介されていた、茨木のり子さんの詩が心にとても響いたので、以下に引用させていただきます。

 

「苦しみの日々 哀しみの日々」

 

苦しみの日々

哀しみの日々

それはひとを少しは深くするだろう

わずか五ミリぐらいではあろうけれど

 

さなかには心臓も凍結

息をするのさえ難しいほどだが

なんとか通り抜けたとき 初めて気付く

あれはみずからを養うに足る時間であったと